それでも不器用だから文字を書くしかない。
若くして死ぬ奴があほだとしたら、弟はその一歩手前だろう。
弟は俳優になると言っていた。
大学に通い就職するという普通でつまらない人生を歩んできた僕にとって、そんな弟を尊敬していた。
会社を辞めることは決めているものの、その後を考えると不安になってしまう。
しかし弟を見ているとそんな不安も馬鹿らしく思えてくる。
陳腐な表現になるが、魂のおもむくままに生きている人はどれくらいいるのだろう。
収入や社会の目のことを考えて、魂が死んでしまった人はどれくらいいるのだろう。
どうしてこの人はこんなに普通のことを普通に言って普通に生きているのだろうと思うことがある。
個性を主張する人が多すぎて結局没個性になることはあるが(例えば原宿ファッション)、それでももがいてるだけ良いと思う。
少なくとも自分にはそういう生き方のほうが向いている。
よく聞く言葉で説教しないで欲しい。
「それどっかで聞きましたよ」って思う。もちろん言えないが(笑)
もがいてると溺れる、力を抜けば案外簡単に浮くことができる。
そんなことは分かってはいるが、まだまだもがかずにはいられない。
もがいた後に浮けばよいのだ。
もがかずに浮く奴はただの死体だ。