TOKYOを消費する。

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寿限無

私の名前は、

寿限無寿限無

五劫の擦り切れ
海砂利水魚
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
藪ら柑子の藪柑子
パイポ パイポ パイポシューリンガン
シューリンガングーリンダイ
グーリンダイポンポコピーポンポコナー
長久命の長助


この名前でよかったことは自己紹介で一発で覚えてもらえること。
この名前で嫌だったことはテストの時名前を書くだけで数分時間をとられることだ。

 

良かったことと嫌だったことを比べれば、嫌だったことの方が圧倒的に多い。
それでも50年も生きていればこの名前にも愛着がわく。

 

そういう意味では親に感謝をしているが、
もうちょっと短い名前を、もうちょっと一般的な名前をつけてくれればと思ったこともある。

 

田中太郎とか佐藤一郎とかシンプルな名前は永遠の憧れだ。

 

生まれた時にパパとかママとか言えば両親が喜んでくれるように、
自分の名前を言えただけで両親は喜んでくれる。

 

しかし私の場合、自分の名前を完璧に言えるようになったのは小学生になってからだ。
あまりにも遅咲きだ。

 

当時の私は入学式の後の自己紹介に向けて、朝も夜も忘れるほど自分の名前を覚える努力をした。


友達が小学校に対し不安と希望を抱いていたころ、私はただひたすら自分の名前を覚えていた。

 

年を重ねるにつれ、自分の名前に疑問を持つことも少なくなっていったが、それでもやはり完全に納得することは出来ないだろう。

 

死期を考える今日この頃、私の唯一の願いは死ぬ瞬間まで自分の名前を忘れずにいることだ。

 

1人でも良い。私の名前を覚えておいてくれ。

 

私の名前は、

寿限無寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
藪ら柑子の藪柑子
パイポ パイポ パイポシューリンガン
シューリンガングーリンダイ
グーリンダイポンポコピーポンポコナー
長久命の長助